レーデルオガワと同じ千葉県柏市にある、NIWA LEATHERS様を訪問しました。
NIWA LEATHERS代表 丹羽 元様とコードバンについて対談しました。
LEDER OGAWA 飛田(以下T)どうもこんにちは
NIWA LEATHERS 丹羽(以下N)こんにちは
(T)本日は貴重なお時間をいただきましてどうもありがとうございます
(N)いえいえ、宜しくお願い致します
(T)すみません、宜しくお願い致します
(N)お願いします
(T)今日は丹羽さんにとって、コードバンがどういった素材なのかと言うところを少しお聞きしたいのですけど
(N)はい
(T)まずはじめに率直な感想でいいので、丹羽さんに関する、そのコードバンというものに対して、どういうところに魅力を感じたりするのかなという所をちょっとお聞きしたいのですけども……
(N)はい、そうですね。普段は牛革とかを扱う方が多分9割くらいだと思うんですけども、やっぱりコードバンって僕がレザークラフト始めた、例えば20年くらい前から、やっぱり……もう当時から僕にとってもスペシャルな革だったんですね
(T)ほうほう
(N)それはもちろん希少性っていうのもありますし、またこう……欲しいけど手に入らない! スペシャルな感じもありますし、あとはこう、当時から今とはちょっとまた違いますけれど、当時は当時なりにお値段も牛革より全然上でしたし
(T)ええ
(N)あとはこう、やっぱり……一番造り手とかにとってスペシャルなのは、曲げた時の……シワが入るというか、入らないというか……? なんと言えばいいんですかね(苦笑)やっぱりこう牛革とか、他の革とは全然違う……シワって言えばいいのか難しいところなんですけど、こう折った時の~
(T)ああ~所謂、銀浮きがあるかないかとか?
(N)はい、ほぼゼロって言うか……
(T)ええ
(N)ゼロくらいないじゃないですか?
(T)ないですね
(N)はいあの、なんていうんですかね……革であって、なんて表現したらいいんでしょう。革であって僕らの概念の革とはまた全然違う次元の革っていうか
(T)おお~、ほうほう
(N)それはあの、作ってるときもそうなんですけど
(T)ええ
(N)何年後かには必ず僕らの仕事って、こうお客さんが戻ってきて
(T)ええ
(N)まあ例えば修理だったり、まあ例えば、リピーターのお客さんが次の注文の時にこれ使ってこうなりましたよとか見せてくれたりするってことがあるんですけれども
(T)ええ
(N)その時にやっぱり、特に折れ曲がるところなんかの牛革だとどうしても経年劣化で、ちょっとひび割れしてきたりとか、後どうしてもシワがこう……ちょっとこう……あんまり気持ちよくないシワが結構深く入っちゃったりとかあるんですけれども
(T)ほうほう
(N)コードバンに関しては、そういうのがほぼ無いですかね
(T)おお~なるほど
(N)そういう意味では、特にこう……僕は革小物中心に作ってるんですけれども、その外装に使うと、本当にその耐久性とかっていう面では……
(T)ええ
(N)凄く本当に良いもの……もちろんお客さんにはそれぐらいのお金を負担して頂かなくてはいけなくはなっちゃうんですけど
(T)ええ、はい
(N)なのでそういう長い面で見ても本当に凄くスペシャルな革ですよね
(T)ほぉ~なるほどなるほどね。つまるところその、見た目はとりあえず置いといたとして、使用感がちょっと他の革とは若干異なるところがあるってことですよね
(N)そうですよね。はい
(T)はあ~(関心)
(N)そういう意味ではそうですね、僕の場合はその見た目よりも質感の方を重視してますかね。まあそれって多分、作る人とか使う方によって違うと思うんですけれども
(T)ええ、ええ
(N)で~、その中で……やっぱりこう……なんですかね。僕も普段の牛革もそうなんですけど、あまりこう、表面に表情が見えない革ってあんまり使ってなくて
(T)ふんふん(相槌)
(N)やっぱりその中で、ナチュラルな仕上げの物が僕は昔から好きで~……で~、あの……ちょっと昔から作られてたああいう素上げのタイプとか
(T)ええ
(N)すごい好きで、使わせて頂いていて……なので、見た目としてはそうですね。そういう素上げで、透明感のあるのが好きでしたね
(T)ああ~はい。はい。なるほどなるほど。うちの革はその合格ラインには達していますか? 大丈夫ですか?
(N)あっはっは~もちろん! はい! 本当に使いやすいな~と思って
(T)ははは
(N)でも全然僕の中でLEDER OGAWAさんって、こう全然なんていうんですかね? 本当に神秘的というか、前も流山で近いんですけれども遠いみたいな、そういう存在で~。あの~……なので本当に今、こうしてお近づきになれて、本当に嬉しいです
(T)ああ、いえいえこちらこそ。ありがとうございます。嬉しいです
(N)ふふっ
(T)うちのそのコードバンって所謂タンニン鞣し……まあその鞣しとして使われてますけど、前に見させて頂いた名刺入れのコバの部分がめちゃくちゃ綺麗で
(N)ああ、本当ですか?
(T)いや本当! こんな綺麗なのあるんだってくらい綺麗だったんですけど
(N)ありがとうございます
(T)確かに仰っしゃられているように、素材の味を活かすには、コバってあの塗料を塗って磨くよりも、素磨きの方が明らかに綺麗になるはずなんで、そこを今聞いて凄く実感しました
(N)ああ、はい。ありがとうございます
(T)すっごいですよね
(N)そうするとやっぱりなんですかね、いい革って、この~僕ら造り手って、こう表面で見たものより……よりもってわけじゃないけどこのやっぱり断面とかも気になっちゃうんですね
(T)あぁ~、はいはいはいはい
(N)例えば表面は良いけど、なんて言えばいいんですかね~…? 例えばスカスカしてる革とかもあるじゃないですか
(T)ありますあります
(N)ああいうのだとやっぱり、良いものってのは作れないので
(T)あぁ~、ふーん
(N)そうなっちゃうと、やっぱり誤魔化そうとしてインク乗せてみたりとかいうことに繋がっちゃうんで、やっぱりこう……なるべくこう自然に仕上げようと思うと、やっぱり素材がよくないと出来ないんですよね
(T)ああ、なるほどなるほど
(N)逆に言うと、自然な仕上がりにして、そこをお客さんに見せてあげるっていうか
(T)ふむふむふむ
(N)やっぱりそれでこう……本当に素材の良さがないと出来ないことなので、革を選ぶポイントはそこですよね。こっち(表面)からじゃなくて、横からその……層の綺麗さというか……
(T)ええ、なるほどなるほど
(N)そういうのって包丁で切っただけでも結構わかるので。その革のなんていうんですかね? この革は良いなとか、この革は……やっぱり作ってて気持ちが良いものですね
(T)ああ~
(N)気持ちの良いもの……で、それを何か、そうですね。それをお客さんにお渡しするようにしていますね
(T)コードバンって結構薄いじゃないですか? ウチのもそうなんですけど、これは作っていて気持ちの良い部類に入るんですか?
(N)あっ、入ります。入ります
(T)あっ本当?(安堵)
(N)で、もちろんこれ一枚で作るわけではないので、やっぱりこう……そうですね、さっき素材の良さを出すって言った意味では、その組み合わせもあると思うんですよね
(T)おお、ほうほう
(N)勿論これ一枚では作れないので、じゃあこの良さを出すには、色も含めて、素材も含めて、どういうものと組み合わせたら。すごく良さが引き出る……こう、なんていうんですか? 完成した時によくなるかなとか、そういうもので、その組み合わせ……ですかね
(T)ああ~(関心)なるほどなるほど
(N)はい
(T)目の詰まり具合ってやつですかね。ウチもそこにはかなり拘りを持っていまして
(N)ああ~、はい
(T)先程言っていた、脂を入れて伸ばすっていう作業も、機械だとスポンジのついたローラーに挟んで、それを引っ張り出して来るっていう風な、油抜きって作業をやるんですけど
(N)はい
(T)ウチの場合はこの、目が詰まってないと、その表面の光沢が見えないんですよ
(N)ふーん
(T)手でこう、伸ばして、こう必要な分だけ伸ばして目をギュッと詰まらせると、タンニン伸ばしの場合に良い詰まり具合になるんじゃないかなっていう
(N)ああ、そうですね。僕はそうですね。そこが本当に、さっきちょっと品質といったのはそういうところですよね
(T)ああ~
(N)その辺のところと、やっぱりそうじゃないコードバンも結構世の中にはいっぱいあるので
(T)ああ、なるほどなるほど
(N)ただ、そこをなんて言うんですかね。一般のユーザーの方まで、それをこう……なんでしょう? 押し付けがましく、伝えるのが中々難しいんですかね。なんか……
(T)確かに難しいですね(苦笑)
(N)使っててくれれば、あっ何か違うなと何時か感じてくれてたりとか、あとはその人が気が付かなくても、周りの人が何か良いよねって言って。なんで、僕はその……お客さんのその時の瞬間で拘りを伝えるというよりも、後からこう…
(T)ああ~
(N)じわじわ! 分かってくれれば良いかなみたく思ってて
(T)コードバンって結構、ウチのは特に水性染料なので経年変化が結構激しい方なんですよ
(N)ああ~、はい
(T)なんかそういったところで、なにか相談されたりしたことってありますか? その~……例えばお客さんからこういう風に変わっちゃったんだみたいなのが来たりとか
(N)まあそこは、あの~……あるとしたら日焼けとか。例えばやっぱり小物とかって水に落としちゃったとかね、まあそういう時ぐらいですかね
(T)ああ~うんうん
(N)あの~自然に使ってて、確かに何か、知らないで買っちゃって、経年変化で変化すると思わなかったみたいなタイプも居ると思うんですよ。そういう方も
(T)ええ、ええ
(N)あの必ず、変化しますよと言って。あのそれで、ここに置いてあるものって本当に10年とか、それくらい経ったものなので、こういう風になりますって一応言ってから僕の場合は言ってるんで、あんまりそういう色とかが変わったとかで……どっちかって言うと僕のお客さんは喜ぶタイプの方が多いかもしれないですね
(T)どうも今日は、とても素晴らしいお話を聞かせていただきまして、ありがとうございました
(N)こちらこそありがとうございました
(T)どうか今後ともLEDER OGAWAをどうぞ宜しくお願い致します
(N)こちらこそ宜しくお願い致します
NIWA LEATHERS
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